修正鬼会



昭和31年 岩戸寺修正鬼会差定
行法
担当導師 行法
担当導師
1 伽陀(かだ) 明徳寺 2 懺法(せんぽう) 大聖寺
3 序音(じょおん) 院生 4 廻向(えこう) 長慶寺
5 初夜(しょや) 文殊仙寺 6 仏名(ぶつみょう) 両子寺
7 法咒師(ほずし) 長慶寺
成仏寺
8 神分(じんぶん) 院主
9 三十二相(さんじゅうにそう) 神宮寺 10 唄匿(ばいのく) 明徳寺
11 散華(さんげ) 大聖寺 12 梵音(ぼんのん) 両子寺
13 縁起(えんぎ) 明徳寺 14 目録 大聖寺
15 錫杖(しゃくじょう) 文殊仙寺 16 米華(まいけ) 成仏寺
光俊坊
17 開白(かいびゃく) 明徳寺
神宮寺
18 香水(こうずい) 文殊仙寺
長慶寺
19 四方固(しほうがため) 院主
長慶寺
20 鈴鬼(すずおに) 文殊仙寺
長慶寺
21 災払鬼(さいはらいおに) 両子寺 22 鎮鬼(しずめおに) 成仏寺
23 鬼護咒(きごじゅ) 院主
長慶寺
     


平成21年 岩戸寺修正鬼会差定


      昭和33年の行事次第

【和歌森 太郎編 くにさき −西日本民俗・文化における地位−第3章 修正鬼会 半田康夫】抜粋

オニヨ当日には、部落の世話人を初め、堂役(トシノカンジョウ・年男)・タイイレシ(タいアゲ)・ハヤシカタ(楽師)・給仕人などの役付や、料理人その他人夫などが早朝から寺に参集して、行事の準備を整える。
同じ組内の応援の僧も昼ごろまでには到着する。


【本堂での行事】


■干仏名・お斎(おとき)
午後3時ごろから岩戸寺本堂で、院主を中心として全僧が千仏名1巻を読経し、続いて僧侶のお斎(食事)が行なわれる。
この給仕に当るのは、7挺の大ダイを捧持するタイイレシのうちの1番と2番のタイイレ4名である。ついでタイイレシや堂役等がお斎をいただくころにはすでにたそがれとなっている。

この間庫裡では、小餅に胡椒味噌をつけたメサマシをイロリの火で焼いている。

     平成21年の行事次第

境内では、甘酒を振る舞うボランティアの人たちも見受けられた。また、本堂の裏手の講堂下では、地域の若衆がお守りを売っていた。
今年から始めたそうである。この行事が地区の活性化に一役買う様になればと願う。



【昼の勤行】

午後3時、僧達はホラ貝を吹き鳴らしながら一列になって足早に講堂へと向かう。


■伽陀(かだ:チェッカー)
法華懺法(ほっけせんぽう)を修し、道場の諸仏を讃嘆(感心してほめたたえること)して礼拝する儀式。

伽陀は、サンスクリット語の“gaathaa”に相当する音写で、偈頌(げじゅ)諷誦(ふじゅ)と訳される。元の意味は“歌”で、サンスクリット語のシラブル“音節”の数や長短などを要素とする韻文の事。声明を唱える儀式。声明とは、仏教声楽曲である。


画像は、平成21年岩戸寺
■懺法導師(せんぼうどうし)
しきみの葉を持った導師が登し、壇法華懺法(罪障を懺悔し、後生善所を願う法要。天台宗の重要な儀式)
■序音(じょおん)
法華懺法を修す。まず院主が読誦し、僧全員が唱和する。
■回向(えこう)
法華懺法の功徳をー切に普及することを願う行法。
■仏名(ぶつみょう)
導師が壇上で賢却の千仏名経を唱える。
荘厳な講堂内で、厳かに執り行われた。講堂を出たのは、午後5時を少し過ぎた頃だった。約2時間ほど。

平成21年千仏名の様子
午後3時から5時過ぎまで講堂内で行われた。

■お斎(おとき) 
法会での食事をお斎と称する。基本的には仏教徒の食事の戒律。

言葉の由来は、「斉食」(さいじき)。決められた時間内で食事を済ませることで「斎」ともよんだ。

締め切った本堂で行われたため、見る事は出来なかった。たぶん、精進料理が並んでいたと想像する。

さて、酒は出るのか、出ないのか?
画像は、平成21年岩戸寺


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